2009 Fiscal Year Annual Research Report
ベトナムの歴史都市・ハノイ36町の空間構成とその保全に関する研究
Project/Area Number |
19404015
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
福川 裕一 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (60130829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 省一 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (60343117)
内海 佐和子 昭和女子大学, 国際文化研究所, 研究員 (10398711)
モリス マーチン 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20282444)
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Keywords | 歴史的町並みの保存 / ハノイ36通り町 / リヴィング・ヘリテージ |
Research Abstract |
本研究は、ベトナムの歴史都市・ハノイの旧市街(通称36通り町)について、1)都市史・建築史の観点から、その空間構成を、2)都市構造・景観調査・居住環境調査によって都市の変容や居住環境に関する問題を明らかにし、3)今日的課題である都市保全に供するための基礎資料の作成及び都市保全の指針作りを行うことを目的としている。 本年度は最終年度にあたるため、これまで見出された知見をもとに、より具体的に保存の方法を明らかにすることに力を注いだ。とくに、ベトナムサイドの考えている町並み保存の方法との違い、論点を明確にすることが本研究の重要なポイントになると考えるに至り、かつて再開発案が検討された地区について、いっそう詳細な調査を行い、異なったパラダイムでの町並みの保存・再生手法を検討することとした(なお、この再開発案は、日本政府の支援するハノイ市マスタープランの一部として、日本のコンサルタントの手によってなされたもので、日本の時代遅れの再開発手法を「輸出」する日本の海外支援と闘わざるを得なくなったのである)。幸いにも、本地区は、2年度目までに調査を行った地区と重なり、その調査をより詳細に行うことで、地区の実態を明確に明らかにすることができた。この調査の結果をもとに、「有機的秩序」「漸進的成長」の原理に基づく町づくりが必要・可能であることをまとめ、3月に開催した3回目の「36町学会」において発表・討議した。同学会は新しく修復された調査地区内の寺院において、多くの専門家、行政担当者、住民を集めて開催された。その模様は、昨年以上に注目され、各種メディアで報道された。
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Research Products
(8 results)