2007 Fiscal Year Annual Research Report
台湾原住民の集落空間と固有文化からみる集住環境の構成原理に関する研究
Project/Area Number |
19404018
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
齊木 崇人 Kobe Design University, デザイン学部, 教授 (90195967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
黄 国賓 芸術工学研究所, 特別研究員 (50441382)
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Keywords | 台湾原住民 / 集落空間 / 固有文化 / 伝統的環境観 / 立地選定 / 空間形成技術 / 地図 / 文様・色彩 |
Research Abstract |
本研究は、公称[台湾原主民]の集落立地選と環境観、集落空間の集合システムを、伝統的居住空間が持つ環境と空間形成技術と捉え、集住環境の構成原理として探求する事を目的とする。 台湾原住民は言語・習俗・文化によって現在13種族に分類され、独自の文化を継承し自然と共存した集落を形成している。主に、山間部に広く分布しているが、これは17世紀初頭、中国から台湾へ移住してきた漢民族によって山間部への移住を余儀なくされた結果である。現在に至る約400年間の歴史の中での集落形成の持続と変容のプロセスを、立地選定、移動経緯、空間持続力の3つのテーマに着眼し、漢民族との関係性を分析しながら、原住民固有の文化にみる環境観と空間形成技術を考究し、集住環境の構成原理として明らかにする。また地域固有の環境観や空間構成原理、伝統的デザイン要素を明らかにし、その成果を台湾原住民の地域コミュニティと研究者に還元する事を目的とする。 平成19年度は台湾でのフィールドワークを通して研究課題を進めた。研究代表者が現在まで蓄積してきた東アジアの研究.調査資料をもとに、時間軸を取り入れた分析方法を用い、伝統的な集落・居住空間の構成原理を明らかにした。また、年2回の研究会・中間報告会を開き、研究成果の共有化を図った。 5〜6月に、研究の方向性の共有、現地調査の準備を行った。日本統治時代に活躍した研究者の文献資料や地図、現在の台湾地図を基に、歴史地理学専門の研究分担者と共に原住民集落分布の把握と調査対象地とする場所選定を行った。 12月には台湾の原住民集落において現地滞在型調査を行い、集落空間を読み解いた。高雄縣、屏東縣、花蓮縣、台東縣の、一般に開放されていない原住民の伝統的集落を対象とし、自然の仕組みに沿ったエコロジカルな空間形成技術を明らかにした。また、台湾国内にて資料収集を行い、現地の研究協力者と共に研究を進めた。
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Research Products
(1 results)