2008 Fiscal Year Annual Research Report
台湾原住民の集落空間と固有文化からみる集住環境の構成原理に関する研究
Project/Area Number |
19404018
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Research Institution | Kobe Design University |
Principal Investigator |
齊木 崇人 Kobe Design University, 芸術工学研究科, 教授 (90195967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 鎮明 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60252748)
黄 國賓 神戸芸術工科大学, 芸術工学研究科, 助手 (50441382)
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Keywords | 台湾原住民 / 集落空間 / 固有文化 / 集住環境 / 色彩環境 / 伝統服装 / 文様 / 図像 |
Research Abstract |
本研究では、台湾の山間部に居住する13民族の台湾原住民を対象にそれらの集落立地選定と環境観、集落空間の集合システムを、伝統的居住空間が持っ環境と空間形成技術と捉え、集住環境の構成原理として探究すること、そして地域固有の伝統的デザイン要素(色彩・文様)の構成原理を明らかにし、現在に至るまでの約400年間の持続と変容のプロセスを考究することを目的とする。17世紀初頭に平地から山地への移住を余儀なくされた原住民と周辺の漢民族との関係は、現在までの台湾史の視点から見ても非常に重要な課題であると考えられる、主に日本統治時代の資料や地図、現地調査を軸に現在の台湾原住民集落の実態把握を行った。台湾原住民の場所選定とその地理位置及び自然環境から見た特性把握調査として、13民族の概要と訪地した25集落の歴史、立地状況、集落規模、建築について明らかとした。また、台湾原住民集落の立地選定と居住形態の構成をテーマに、生活環境と立地特性、集落の空間構成について考察を行った。 そして、生活文化と色彩環境の特性をテーマに、13民族の立地環境及び居住環境の色彩特性、服飾の色彩と配色、染織工芸などについて考察を行い、時代的変遷と地域特性を明らかとした。その結果、地域の環境特性による民族色彩配色の感性、民族の嗜好と色彩体系が形成される様、外部からの新素材や製作技術を取入れるエネルギーなどについて窺い知ることができた。 更に、台湾原住民の文様文化と図像の特性をテーマに、詳細調査を実施した8民族の伝統服飾の形式と種類、船装飾について考察を行い、地域文様の特性を明らかにした、その結果台湾原住民は居住地別に南下するほど固有の文様が今なお現存し、中部から北部に進むほど固有の文様は徐々に忘れられつつあることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)