2010 Fiscal Year Annual Research Report
広域分布を示すアジア産アリ類の系統地理解析によるインド・レフュージア説の検証
Project/Area Number |
19405007
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
東 正剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (90133777)
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Keywords | 放浪種 / 系統地理 / アシナガキアリ / 生態系撹乱 / インド・レフユージア / チトクロームb遺伝 / マイクロサテライトDNA |
Research Abstract |
アジアツムギアリ、アシナガキアリ、ツヤオオズアリなど広域分布種の標本集めを継続し、特に前二種についてDNA分析を進めるとともに、比較対象としてアフリカツムギアリの分析も行った。また、沖縄における外来侵入アリ類の生態調査を継続した。主な結果は以下の通りである。1)アジアツムギアリの東南アジア・オーストラリア系統とインド・スリランカ系統の境界域について検討した結果、バングラディッシュ個体群とダッカ個体群では東南アジア・オーストラリア系統、ブータン・ネパール個体群、アッサム・ダージリン北部個体群ではインド・スリランカ系統のハプロタイプが検出され、その境界を流れる河川群が両系統を分断している可能性が示唆された。2)アジアツムギアリ分布域の東端に位置するパプアニューギニアの海岸域個体群はオーストラリア個体群に近いが、中央部の個体群の中には独立したグループを形成するハプロタイプも検出された。3)アフリカツムギアリの標本を10カ国15個体群から集めることができた。現在mtDNAとマイクロサテライトDNAの分析を進めているが、アジアツムギアリで東南アジア・オーストラリア系統とインド・スリランカ系統に見られたような同種内の大きな違いが複数検出される可能性がある。4)アシナガキアリについては、平成21年度の解析でインドの1個体群が祖先系統であることが示唆されたが、新しい標本を加えて解析したところ、その結果を再現できていない。しかし、インドの個体群では変異が多く、祖先系統が見つかる可能性は残されていると思われる。 平成22年8月にデンマークで開催された国際社会性昆虫学会において、アジアツムギアリに関する研究成果を発表した。
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Research Products
(22 results)
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[Presentation] Clone wars : persistence of the single lineage of cheaters in the parthen ogenetic ant Pristomyrmex punctatus2010
Author(s)
Dobata, S., Sasaki, T., Mori, H., Hasegawa, E., Shimada, M., Tsuji, K.
Organizer
XVI IUSSI (the International Union for the study of social insects) Congress
Place of Presentation
Copenhagen Denmark
Year and Date
2010-08-10
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