2007 Fiscal Year Annual Research Report
西シベリア塩性湖チャニー湖における高次消費者を中心とした生態系解析
Project/Area Number |
19405008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 秀一 Tohoku University, 東北アジア研究センター, 准教授 (70154185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 永祐 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00004482)
工藤 純一 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40186408)
溝田 智俊 岩手大学, 農学部, 教授 (10089930)
竹原 明秀 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (40216932)
太田 宏 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10221128)
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Keywords | 国際研究者交流 / ロシア / シベリア / 湖沼 / 生態系 / 食物網 / 魚類 |
Research Abstract |
1.本年度は、西シベリア・大チャニー湖のカモメが営巣する島とその周辺水域で、環境要因と水質の現地測定を行い、さらに魚類とカモメ類およびそれらの餌候補のサンプルを採集した。乾燥したサンプルを日本に持ち帰り、炭素と窒素の安定同位体比を測定・解析を行った。その結果、大チャニー湖における魚類までの食物網はチャニー湖流入部のそれと比べると、炭素と窒素の安定同位体比の値が高い傾向がみられ、食物綱の起点が異なることが明らかになった。また、カモメ3種のヒナの食性が安定同位対比より推定できた。 2.カモメ属鳥類の営巣地土壌に含まれるアンモニアおよび硝酸態窒素の含量変動を時系列で追跡した。営巣期の土壌温度が低温で経過することに加えて、半乾燥気候条件を反映して、アンモニア態窒素の硝化が顕著に遅延することを見出した。また、1年前に営巣、その後放棄された土壌について分析したところ、多量の無機態窒素が見出された。西シベリアの半乾燥気候条件下では鳥類起源の窒素は土壌から洗脱されにくいことが明らかになった。 3.チャニー湖やオビ川内の島々から採集した植物標本を同定し,おおよそ150種を確認した。この資料に基づき,この地域の代表的な植生を把握し,植生図の作成を通して生息する動物による退行遷移を推定した。 4.シベリアで受信した米国気象衛星からのデータを本学へ転送し、画像処理を行い、データベースとして整備した。 5.ノボシビルスク州における漁業に関する統計資料の収集し、解析を行った。 6.ロシア氏側の研究協力者2名を招へいして、本年度の調査結果についての討論し、セミナーを開催した。
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Research Products
(3 results)