2008 Fiscal Year Annual Research Report
西シベリア塩性湖チャニー湖における高次消費者を中心とした生態系解析
Project/Area Number |
19405008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鹿野 秀一 Tohoku University, 東北アジア研究センター, 准教授 (70154185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝田 智俊 岩手大学, 農学部, 教授 (10089930)
竹原 明秀 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (40216932)
太田 宏 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教 (10221128)
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Keywords | 国際研究者交流 / ロシア / シベリア / 湖沼 / 生熊系 / 食物網 / 魚類 |
Research Abstract |
チャニー湖沼詳はロシア西シベリアの中央に位置する、東西約80km、南北約65kmに達する湖沼群であるが、平均水深が2〜2.5mと非常に浅い水体をなす塩性の内陸湖である。 1. 本年度も、昨年度に引き続き大チャニー湖の島とその周辺水域において、環境要因と水質の現地調査を行い、昨年度サンプルが少なかった魚類とその餌候補のサンプルを多数採集した。これらのサンプルは、日本に郵送し、炭素と窒素の安定同位体比を分析して、食物綱の構造を解析した。また、小チャニー湖へ流入する河川の河口域に10kmほど離れた2地点において、食物網構造の水平的な分布を調べたところ、植物プランクトンからプランクトン食性魚は、比較的狭い水界でローカルな食物網を形成していることが分かった。 2. カモメ属鳥類の営巣地土壌に含まれる窒素含量の変動を時系列で追跡した。営巣期の低温および乾燥土壌条件を反映して、アンモニア態窒素の硝化が顕著に遅延することを見出した。また、1年前に営巣、その後放棄された土壌について分析したところ、前年に比較して硝化の促進が見られた。鳥営巣の影響を受けた地点では富栄養化と踏みつけに抵抗性の高い数種のイネ科草本が優占した。営巣地の植生地上部は、対照区に比較して高い窒素含量を示した。しかし、硝化と脱窒過程が遅延するために、地上部の窒素安定同位体比は湿潤熱帯や温暖地域ほどには上昇しなかった。 3. 2006〜2007年のノボシビルスクの経済状況についての資料集を入手し、オビ水系の漁獲量について解析した。 4. 本年度もシベリアで受信した米国気象衛星の両像データを、データベースとして整備した。
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Research Products
(3 results)