2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19405017
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山口 裕文 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (20112542)
|
Keywords | 生物多様性 / ヒエ属植物 / 侵入生物 / 遺伝資源 / カタログ |
Research Abstract |
経済活動や農産物の移動に伴って大陸間を移動し生態系に悪影響を及ぼすおそれのあるヒエ属植物について多様性の実態を把握することを目的として研究を遂行した。本年度は、保存標本ベースで野生種の世界的な多様性と地理的分布の実態を把握するために、英国キュー植物園およびインド国カルカッタ植物園の標本館において標本調査を行い、タイ国より得た多年生種に特異な葉緑体DNA変異と形態を示す未記載と推定される種を確認したので、同国において生育地を調査した。標本館では、研究期間内に海外調査を遂行出来なかった地域および不十分であった地域に原産する種を中心に選定した個体の全体像と小穂および毛茸の写真を撮影し、標本番号を記録し、ヒエ属植物の種の分類同定と原野生地の情報を得た。標本館における標本の整理には、異名や誤同定などの混乱がみられ、オーストラリア地域の標本には新大陸およびアフリカ地域より導入され、野生化したと推定される種の存在を確認した。また、タイ国産の推定未記載種(多年生水田雑草)は、インド東部まで生育していることが確認された。また、平成19年度および20年度の現地調査の結果を今年の分析と併せ、連携研究者(佐合隆一、伊藤一幸、榎本敬、種坂英次、副島顕子、秋本正博、大野朋子)と協力してとりまとめ、成果の一部を関連する学会講演会で発表するとともに、観賞植物やタケ類など、国際移動をともなう栽培植物からの野生化の事例を参照しながら問題点を整理・考察し、それぞれの地域毎に重要な種を対象として多様性の実態をカタログ化して、成果公表のための英文原稿を作成した。
|
Research Products
(7 results)