2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19405024
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 武 Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 生産環境領域, 主任研究員 (40425525)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 土壌学 / 環境 |
Research Abstract |
ベトナム北部(ハノイ市)の水田にて、春季と夏季の水稲栽培時に田面より揮散するアンモニアを測定した。春季においては90kg/haの窒素施肥に対して、揮散量は13.4~18.6kgN/haであった。夏季については、70kg/haの窒素施肥(慣行よりやや少ない)に対して揮散量は13.4-13.5kg/ha、140kg/ha(慣行より多い)に対して揮散量は18.6~18.7kg/haであった。 また、試験圃場内にマイクロプロットを設けて、安定同位体(N15)でラベルした尿素を施用し、施肥窒素の動態を調査し、得られたデータを基に水田の窒素収支を計算した。 春作においては施肥窒素(90kg/ha)のうち23.8kg/haが稲(地上部)、15.1kgがアンモニア揮散により大気へ放出され、土壌中に残留したのが18.0kg/haであり、未回収の窒素は33.0kg/haであった。夏作については、施肥窒素(70kg/ha)のうち12.4kg/haが稲(地上部)、13.4kgがアンモニア揮散により大気へ放出され、土壌中に残留したのが28.5kg/haであり、未回収の窒素は15.7kg/haであった。また、施肥窒素(140kg/ha)のうち25.3kg/haが稲(地上部)、18.6kgがアンモニア揮散により大気へ放出され、土壌中に残留したのが43.5kg/haであり、未回収の窒素は52.5kg/haであった。 水田の窒素収支については、インプットとして化学肥料施肥、堆肥投入、灌漑水としての流入を、アウトプットとして籾、ワラ、アンモニア揮散、施肥窒素未回収分(脱窒とリーチングが原因と考えられる。)を考慮したところ、春作、夏作(70kg/ha)、夏作(140kg/ha)の順にインプットが136.7kg/ha、119.5kg/ha、189.5kg/ha、アウトプットは180kg/ha、121.5kg/ha、168.8kg/haであった。
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Research Products
(1 results)