2007 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯サンゴ礁環境変化から読み解く魚類の測季システム
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19405031
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 University of the Ryukyus, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40222103)
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Keywords | サンゴ礁 / 熱帯 / アイゴ / 年周期 / 産卵 / 組織学 |
Research Abstract |
本研究ではインドネシアに広がる熱帯サンゴ礁に生息する魚類(アイゴ類やスズメダイ類)を研究対象として、これらの魚の成熟開始に関する環境要因を特定することと地域特性に応じた環境変化を感じ取る魚類のセンサーの存在を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 海外調査 本年度は2回の海外調査を行った。1回目は平成19年9月19日〜26日にかけてインドネシアに滞在し、ディポネゴロ大学海洋科学科現地研究協力者との間で年度別研究計画策定を行うと共に調査地域となるインドネシア中部ジャワジェパラ及びカリムンジャワのサンゴ礁の現状を視察した。併せて今後の調査のための傭船や宿泊施設の場所等を決定した。2回目の調査は平成19年ll月28日〜12月6日かけて行った。調査地域での魚類の採集と現場環境測定を同時に行った。採取したサンプルはフォルマリンで組織観察用に保存した。 国内研究 今後の海外調査に必要となるゴマアイゴ及びルリスズメダイの脳深部光受容体Vertebrate Ancient Longオプシン(VAL)と光受容体で発現するVasoactive Intestinal Peptide(VIP)の全塩基配列を決定し、それらの特性を明らかにした。ゴマアイゴのVAL(2547bp)及びVIP(1172bp)はそれぞれ387及び148のアミノ酸をコードしていた。ルリスズメダイのVAL(3245bp)及びVIP(677bp)はそれぞれ386及びで148のアミノ酸をコードしていた。いずれも脊椎動物のVAL及びVIPと高い相同性を示した。ゴマアイゴのVALの局在をIn situ hybridizationで予備的に確認した結果、視床下部領域に陽性の反応が認められた。そのほかの遺伝子発現部位のIn situ hybridizationでの確認とReal-time PCRによる測定系の確立を引き続き行っている。
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Research Products
(2 results)