2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯サンゴ礁環境変化から読み解く魚類の測季システム
Project/Area Number |
19405031
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
竹村 明洋 University of the Ryukyus, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (40222103)
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Keywords | サンゴ礁 / 熱帯 / アイゴ / 年周期 / 産卵 / 組織学 |
Research Abstract |
本研究は、インドネシアに広がる熱帯サンゴ礁に生息する魚類(アイゴ類やスズメダイ類)を研究対象として、これらの魚の成熟開始に関する環境要因を特定することと地域特性に応じた環境変化を感じ取る魚類のセンサーの存在を明らかにすることを目的とする。本年度は以下の研究を行った。 海外調査 本年度の海外調査をインドネシアジャワ島域が雨季に当たる平成20年12月8日〜12月13日に行った。 インドネシア中部ジャワスマラン市に滞在し、ディポネゴロ大学海洋科学科現地研究協力者との間で周年採集した魚や気象・海況の基礎データーについて議論した。また、主たる調査地域となるインドネシア中部ジャワジェパラ及びカリムンジャワのサンゴ礁において魚類の採集と現場環境測定を同時に行った。採取したサンプルはフォルマリンで組織観察用に保存した。環境及びプランクトンデーターは現地協力研究者が解析中である。 国内研究 全塩基配列を決定したゴマアイゴ及びルリスズメダイの脳深部におけるVertebrate Ancient Longオブシン(VAL)とVasoactive Intestinal Peptide(VIP)遺伝子の日周変化をReal-time PCRで行った。両種のいずれの遺伝子も視床下部域に強い発現は認められたが、明確な日周変動は認められなかった。もう一つの網膜外遺伝子であるExorhodopsin遺伝子にっいても解析を始め、全塩基配列と脳内分布を決定した。その結果、ゴマアイゴとルリスズメダイのExorhodopsin遺伝子はそれぞれ2079bp及び2071bpで、353及び354個のアミノ酸をコードしていた。この遺伝子の発現は、松果体や脳深部に広く認められた。これら遺伝子の発現変動を様々な長日と短日条件や栄養条件で検討を加えている。
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Research Products
(10 results)