2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19405034
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
杉野 智英 Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 国際開発領域, 主任研究員 (50425526)
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Keywords | 国際研究者交流 / インドネシア / 農業政策 / 地方分権 |
Research Abstract |
1 地方分権がインドネシア農業に与えた影響の解明 地方分権の推進以降、地方政府においてどのような農業政策が展開されているかを把握するため、インドネシアの地方自治体(州、県、市)で2001年以降に施行された農林業に関連する条例を収集し、19州及び300県・市から、計1,100の条例を収集した。 2 地域資源を活用した農村活性化の成功要因の把握 地方分権以降有機米生産を中心とする農協振興策を実施している中部ジャワ州スラゲン県において現地調査を実施し、有機米生産の現況等を把握した。同県の有機米生産は2001年以来本格化し、現在の栽培面積は約3,000haとなっている。2001年当時は、有機米の販路が確立されていなかったので、県知事及び県職員が相当量を購入していたが、2003年には、有機米を含む県産米の加工・流通を業務とするPD PAL社が県と州の出資・補助により設立された。こうした企業は、県のあっせんにより、有機米を生産している農家グループとの間にMOUを締結し、契約に基づく有機米の購入、精米、販売を実施している。有機米振興以外に、県か独自に実施している農業振興政策として、2004年から実施されている農業の再活性化事業が注目される。本事業の一環として、1村1普及員プログラムが実施されており、普及員による県内各村への定期的な巡回指導が行われている。また、農業生産を多様化することを目的として、地元の農産物を使用した加工品作りも進められている(輸入品の小麦粉を使用せず、在来のキャッサバデンプン等を使用した菓子など)。同県は農産物のマーケティングを重視しており、職員をタイに派遣し、同国で実施されているケシ栽培の転換により導入された野菜や果実の輸出促進事業などを視察させている。有機米は、外国企業から輸出の可能性に関する照会を受けることもあり、県では、有機米の輸出も視野に入れた農業振興を図りたいとしている。
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