2007 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおける河川堤防の機能と保全に関する調査研究
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19405036
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
酒井 俊典 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (90215591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD.Z HOSSAIN 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 講師 (10314139)
成岡 市 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (70211448)
加治佐 隆光 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (60177376)
石井 敦 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (90222926)
近藤 雅秋 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (10273351)
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Keywords | バングラデシュ / 堤防破壊 / 断面の設計 / 安全率 / 抵抗力 / 補強土構造 / 盛土斜面 / 安定解析法 |
Research Abstract |
バングラデシュでの堤防破壊調査結果では、断面の設計において安全率が不足していることが明らかとなった。堤防のすべり破壊に対する安全性評価の欠落、締固め不足,使用材料の低品質などであった。また、堤防崩壊の原因として1)洪水期の水理的設計パラメータが過大であること,2)波浪とその作用による上流側斜面の浸食、3)不十分な断面規模と管理基準を下まわる施工,4)通年の組織的維持管理の欠如と5)隣接構造物の影響に対する検討の不十分さ、などを確認した。洪水期の土粒子の移動による水理的破壊に対する抵抗力が低下していることが明らかとなった。 補強土構造の全体的な性状は言うに及ばず土中に埋め込んだ補強材の引き強度に対して土の含水比が重要な影響を与えることはよく知られている。土〜補強材間の相互作用と含水比との関係を知るために、垂直応力を変化させた一連の引き抜き実験を行った。補強材の引き抜き強度に関するパラメータとして土の粘着力とせん断抵抗角を測定した。結論として、補強材の引き抜き強度と土の含水比との間に強い相関性が見られ、含水比の増加とともに粘着力、せん断抵抗角成分が減少していく傾向が明らかとなった。 フィルダムのような不均質材料で構成される盛土斜面の安定解析法としては、すべり土塊をn個の細片に分割し、各細片の力の釣り合い関係と土塊全体のモーメントの釣り合いから安全率を算出するのが一般的である。しかし細片相互に作用する内力を考慮に入れると、条件式の数n-2個不足する不静定問題となるため、なんらかの仮定を導入して静定化する解析法がこれまで種々研究されてきたが、いずれにしても近似解法である。本研究では釣り合い式の誘導に若干の工夫を加えることにより、静定化された斜面安定解析法を提案したとともに、簡便法、Bishop法、提案法に関していくつかの計算例を実施しその相違を比較検討した。
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Research Products
(7 results)