2010 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュにおける河川堤防の機能と保全に関する調査研究
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19405036
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
酒井 俊典 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (90215591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保世院 座狩屋 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (10314139)
成岡 市 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (70211448)
加治佐 隆光 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (60177376)
石井 敦 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (90222926)
近藤 雅秋 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (10273351)
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Keywords | バングラデシュ / シラジゴンジュ / パドマ川 / モウロビバザル / マヌ川 / 河川堤防 / 浸透解析 / 安全率 |
Research Abstract |
平成22年度はバングラデシュのシラジゴンジュ地区における堤防盛土材料の土質特性及びパドマ川河川堤防における土質特性と破壊状況について研究を行った。崩壊した堤防盛土から直接撹乱土を採取し、JIS・JGS基準に基づき基本的物理性、締固め、変水位透水、一軸圧縮の各試験を行った。試験結果により、シラジゴンジュ堤防盛土は、粒度が無く、透水係数が大きく(含水比(w)が24%で、最小透水係数(k_<min>)1.29×10^<-5>cm/s)、一軸圧縮強度が低く(含水比(w)が19.6%で(w_<opt>=21.2%)、最大一軸圧縮強度(q_<umax>)51.8kN/m^2)、かつ含水比によって大きく強度が低下する土質特性を有していた。パドマ川河川堤防における土質特性と破壊状況について,現地調査および土質試験から調査を行った。その結果、堤防材料はシルト系細粒土であり,含水比の増加にともなって強度が大きく低下(280KN/m^2から153KN/m^2)するとともに透水性は大きくなることが示され,これらが洪水時に河川堤防崩壊の発生要因となると考えられた。また,堤防崩壊プロセスは主に、亀裂発生およびトップリング破壊によるものであることが分かった。 また、バングラデシュのモウロビバザル市マヌ川堤防における浸透解析を行い、マヌ河川堤防の安全率を求めた。その結果、堤防の安全率は22-30%程度上回り施工であったことが分かった。今後の課題として、河川堤防の安定的な設計を求めるために自由飽和線の選択が重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)