2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・アフリカにおけるバベシア原虫の分子疫学的調査研究
Project/Area Number |
19405044
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
五十嵐 郁男 Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (10292096)
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 准教授 (80301802)
中村 一哉 富山県衛生研究所, ウイルス研究部, 研究員 (00400078)
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Keywords | バベシア病 / アジア / アフリカ / 診断 / 疫学調査 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
平成20年2月26日から3月4日まで、南アフリカ共和国のオンデルステポルト医学研究所およびフリーステート大学クワクワ校に滞在し、馬、牛及び犬から試料を採取し、血清ならびに遺伝子診断を行った。 1.ウマバベシア原虫に関する調査結果 ウマの血液試料をオンデルステポルト獣医学研究所農場で飼育している馬11頭からから採取し、ELISAおよびPCR診断に用いた。また、Pre-Equine National Sale(国立馬市場)で144例の血清試料を採取し、ELISAによる血清診断を行った。その結果、馬ピロプラズマ病の流行地であるに関わらず、11例のサンプルでPCRによるBabesia equi及びB. caballiの陽性例はいずれも認められなかったが、ELISAでは、Babesia equiで9例(81.8%)、B. caballiで5例(45%)が抗体陽性を示した。また、血清144例のELISAによる抗体検出では、144例中、Babesia equiで89例(61%)、B. caballiで83例(56.6%)が陽性であった。 2.ウシバベシア原虫に関する調査緒果 ウマの血液試料を南アフリカ東部のワズルナタル地域の112頭の牛から採取し、PCR診断に用いた。また、108例の牛血液サンプルを採取し、ELISA診断を行った。その結果、PCRによる遺伝子検出では、112例中、B. bovisで12例(11)、B. bigeminaで57例(51%)が陽性であった。また、ELISAによる抗体検出では、108例中、B. bovisで8例(7.4%)、B. bigeminaで11例(10%)が陽性であった。 3.イヌバベシア原虫に関する調査結果 イヌの血液試料40例を南アフリカ各地から採取し、PCR診断に用いた。また、オンデルステポルト獣医学研究所で輸出入検疫検査のために集められた108例の血清試料を採取し、ELISAによる血清診断を行った。その結果、40例中30例(75%)のサンプルがPCRによりB. gibsoni陽性であった。また、ELISAによる抗体検出では、108例中15例(13.8%)がB. gibsoni陽性であった。
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Research Products
(9 results)