2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ワクチンのスクリーニングに有用なマラリア防御血清の探素
Project/Area Number |
19406009
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 Ehime University, 無細胞生命科学工学研究センター, 教授 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹尾 暁 愛媛大学, 無細胞生命科学工学研究センター, 講師 (40302666)
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Keywords | マラリア / ワクチン / 感染症 / バイオテクノロジー / ゲノム / 国際研究者交流 / タイ |
Research Abstract |
高度マラリア流行地にはマラリアに感染しても感染赤血球率が上昇せず、発熱等の症状が出ない無症状感染者が存在している。これらの人々の血清中には赤血球期マラリア原虫の増殖を阻害する抗体が存在することが予想される。申請者らはハイスループット無細胞タンパク質合成法を用いて、ヒト血流中の原虫の増殖を阻害することの出来るマラリアワクチンの候補抗原の探索に着手した。このような血清がマラリア流行地の人々から入手できれば、我々が作製したマラリア原虫タンパク質アレイと組み合わせることにより、新規マラリアワクチン抗原の探索が可能となる。そこで本研究を、新規熱帯熱マラリア発病阻止ワクチン候補抗原の探索に用いる流行地住民の血清を系統的に入手することを目的に開始した。調査対象地域は、タイ国西部ミャンマーとの国境地帯にあるカンチャナブリ県サンクラブリ近郊のコン・モン・ター村である。初年度はインフォームド・コンセントの得られた数十名を対象に体温測定、症状等の聞き取り、末梢血液採血を実施した。得られた血液サンプルを用いて、マラリアの診断(顕微鏡法及びPCR法を用いる)、原虫感染率め算定、血清の分離を行った。これらの血清サンプルの一部を用いて、培養熱帯熱マラリア原虫粗抗原に対する抗体価を酵素抗体法で測定した。その結果、本流行地には、原虫粗抗原に対する抗体を持っている住民が多く存在していることが判明し、本対象地域におけるマラリアの流行は通年生じていることが判明した。したがって、本対象地域における調査研究を継続することにより、ワクチン候補抗原の探索に有用な血清サンプルの入手が可能と考えられた。なお、上記の個別情報はコード番号化され、個人の特定は出来ないようにしてコンピュータに記録しデータベース化を行った。
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Research Products
(5 results)