2010 Fiscal Year Annual Research Report
抗狂犬病ヒト型単クローン抗体カクテルのアジアにおけるフィールドトライアル
Project/Area Number |
19406016
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
西園 晃 大分大学, 医学部, 教授 (70218155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アハメド カムルディン 大分大学, 全学研究推進機構, 准教授 (00398140)
山田 健太郎 大分大学, 全学研究推進機構, 助教 (70458280)
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Keywords | 狂犬病 / ヒト型単クローン抗体 / 曝露後治療 / EBVトランスフォーメーション / アジア |
Research Abstract |
狂犬病動物からの咬傷を受けた場合に使用されるグロブリン製剤は世界的に僅少である。アジアなど侵淫国における狂犬病の予防・治療に資する目的で,ウイルス中和活性を有する抗狂犬病ヒト型単クローン抗体(MAb)を,狂犬病ワクチン接種者の末梢リンパ球をEBウイルスでトランスフォーメーションすることにより樹立し,浸淫地での応用に向けた研究を行った。ウイルス中和試験によるスクリーニングで,最終的に2種類のヒト型MAb(No.254とNo.4D4)を確立し,さらに抗体産生免疫グロブリン遺伝子をCHO細胞に導入することで抗体産生能力を安定化させた。ヒト型MAb No.254はIgG3型でCVS株に対する中和能力は33.3 IU/mg(Kd値=3.7×10^<-7>M)で,狂犬病ウイルス各種実験室株(CVS,ERA,HEP-Flury,西ヶ原株)を効果的に中和した。一方ヒト型MAb No.4D4はIgM型でCVS株に対する中和能力は125 IU/mgであった。No.254は狂犬病ウイルスGタンパク質の198番目のアミノ酸を認識しており,これは中和抗体誘導抗原部位IIに位置していた。一方,No.4D4では242番目の新たな抗原部位を認識していると考えられた。特にNo.254はマウスチャレンジ試験において,ポリクローナル馬抗血清と同程度のマウス生存率を示した。現在、新たに5名の狂犬病ワクチン接種者を募り,ブースター接種を行うことでウイルス中和抗体価の上昇を確認し,その中から特に抗体価の上昇の著しかった2例(抗体価はそれぞれ26.86 IU/mlと25.73 IU/ml)から末梢リンパ球を採取し,再度EBV トランスフォーメーション法により抗体産生細胞をクローニングし,複数の有効な抗体の獲得を目指している。
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Research Products
(9 results)