2008 Fiscal Year Annual Research Report
人種差を示す難治性内眼炎の疾患感受性遺伝子の検索と新規抗酸化治療法の開発
Project/Area Number |
19406028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 重昭 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 特任教授 (50002382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (40109426)
吉田 和彦 北海道大学, 病院, 講師 (90281807)
南場 研一 北海道大学, 病院, 助教 (70333599)
小野江 和則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40002117)
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Keywords | 疾患感受性遺伝子 / ベーチェット病 / 難治性内眼炎 / アデノウイルス角結膜炎 / 分子疫学 / アスタキサンチン |
Research Abstract |
本年度はモンゴロイドに多発するベーチェット病の疾患感受性遺伝子の検索を行った。日本人ベーチェット病患者で、約3万(な)個のマイクロサテライトマーカーをゲノムワイドに設定し世界に先駆けて疾患感受性遺伝子の検索を行った。有意差の見られたマーカーの一つはTLR4遺伝子近傍にあり、さらにこの遺伝子周辺のSNP解析を行っだところ日本人においてTLR4遺伝子が疾患感受性遺伝子の一つであると同定された(Ann Rheum Dis2008 ; 67 : 725-727)。 この結果の再現性を他民族で確認するため、今回我々は韓国人ベーチェット病患者におけるTLR4遺伝子を検討した。ベーチェット病患者119例、健常対照韓国人141例を対象とし、TLR4の9つのSNPsをdirect sequence法で検討した。それぞれの9つのSNPsにおいて患者群と健常対照群でアリル頻度に有意差はみられなかった。一方、最も高頻度にみられたTLR4のハプロタイプTAGCGGTAAは、HLA-B*51陽性患者群の49.5%にみられ、健常対照群全体では32.3%でありHLA-B*51陽性患者群で有意に多くみられた(P<0.05)。また、このハプロタイプは関節炎を有するベーチェット病患者群が健常対照群より有意の高頻度を示した(P<0.01)。TLR4のハプロタイプは韓国人においてもベーチェット病の発症リスクに関与している可能性が考えられた。また、関節炎の発症と関連する可能性も示された(Rheumatol2009, in press)。また、アスタキサンチンの抗酸化作用について、基礎実験を実施中である。
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Research Products
(47 results)