2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
周 暁 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10272022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西関 隆夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80005545)
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Keywords | アルゴリズム / 部分k木 / 分解木 / 彩色 |
Research Abstract |
計算量理論・アルゴリズムの分野において,グラフに関する様々な組み合せ問題を解くアルゴリズムの研究が活発に行われてきている.これらの組み合せ問題には,現実世界に現れる重要な問題が多く含まれ,ほとんどはNP-困難であることが示されている.その一方で,構造がある程度限定されたグラフ,即ち部分k木と呼ばれるグラフに対象を制限した場合には,多くのNP-困難な計算問題が多項式時間計算可能であることが明らかになってきている.しかしながち.これまでの研究はそれぞれ個々の問題のアルゴリズムのみに着目したものであり,アルゴリズムを設計する一般的な方法については研究がほとんど行われていない状況である.本研究では,様々な分野に現れる色々な問題を解くアルゴリズムを導く一般的な方法論を構築する.即ち,応用上よく現れるグラフのクラスである部分k木に対して,配電融通,システム解析・設計,論理回路設計,VLSIの配線問題,通信スケジューリング問題などを含む多くの組み合せ問題を解くアルゴリズムの設計論を構築することが研究目的である.最初の年度では,配電融通問題を解くアルゴリズムを考えた.kを限定し,部分k木より小さいグラフのクラス,即ち木(部分1木)や直並列グラフ(部分2木)のクラスに置いて,最大分割(電力供給量を最大にする,即ち停電量を最小にする)問題の近似解を求める極めて効率のよい近似アルゴリズム(FPTAS)を与えた.更に,部分k木に置いて全彩色問題を効率でよく解く多項式時間アルゴリズムの開発を成功した.理論的にもその手法の効率性の検証ができた.この成果より,開発されたアルゴリズムは幾つかの条件を満たす一般的な組合せ問題を効率良く解くことが分かった.これらの成果をまとめたのが7編の学術誌論文である.
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Research Products
(7 results)