2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウェブ構造マイニングのアルゴリズムとその効率化に関する研究
Project/Area Number |
19500016
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
宇野 裕之 Osaka Prefecture University, 理学系研究科, 准教授 (60244670)
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Keywords | ウェブグラフ / データマイニング / データ構造 / 列挙問題 / グラフ・アルゴリズム / コミュニティ |
Research Abstract |
ウェブのリンク構造を有向グラフとしてモデル化したウェブグラフについて,その研究の創始より10年あまりが経過したいま,われわれはそのモデルを再評価するとともに,ウェブグラフで動作するさまざまなアルゴリズムの設計・開発やそれらの効率化を目指す.なかでも,ウェブにアップロードされている情報を巨大なデータベースと見なし,そこから有益な情報を発見するデータマイニング技術は重要かつ不可欠である.最終年度は,新たなウェブグラフのモデルの提案と,そのモデル上でのウェブ構造マイニングに関する研究を実施し,以下に示すような結果を得ている. まずはじめに,実際のウェブデータから構築されたウェブグラフを観察することで同定した孤立クリークや孤立スターと呼ばれる頻出部分構造に対して,そのような特定の構造を繰り返し縮約することで得られる「縮約ウェブグラフ」と呼ぶモデルを提案した.また,このモデルは実際にさまざまな尺度で繰り返しスケールフリー性を満たすことが確認された.その上で,このような性質を満たすウェブグラフの生成モデルを提案し,それに対する理論的な解析を行った. さらに,実際のウェブデータに対してこのようなウェブグラフを構築し,構造マイニングを試みたところ,縮約前のグラフでは得られなかった新しい情報を発見することに成功し,本研究で提案する縮約ウェブグラフの有効性,妥当性を検証した.
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