2008 Fiscal Year Annual Research Report
型つきラムダ計算に基づく構文解析・生成のDatalogへの帰着
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19500019
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
金沢 誠 National Institute of Informatics, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (20261886)
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Keywords | 構文解析 / 文生成 / Datalog / 多重文脈自由文法 / Earleyのアルゴリズム / マジックセット書き換え |
Research Abstract |
本研究で扱うのは、「ほとんど線形」なラムダ項のみを許す2階抽象的範疇文法の対によって表現可能なモンタギュー意味論つきの文法である。前年度までの研究で、この条件の下で、構文解析と生成の問題がDatalogの問い合わせに帰着でき、計算量クラスPの部分クラスであるLOGCFLに対し完全であることを示した。本年度は、この結果に関する雑誌論文の執筆を進めるのと同時に、Datalogの効率的評価アルゴリズムであるマジックセット書き換えを構文解析と生成の問題に応用する手法について詳しく検討した。 マジックセット書き換えを文脈自由文法を表すDatalogプログラムに適用するとEarleyの構文解析アルゴリズムが得られることが知られている。他の文法形式に対する構文解析やモンタギュー意味論に対する生成の問題を表すDatalogプログラムに対して同じ方法を用いることによってEarley型のアルゴリズムを自動的に得ることができる。しかし、文脈自由文法の場合とは異なり、より複雑な文法に対する構文解析に関しては、こうして得られたアルゴリズムは、correct prefix propertyと呼ばれる重要な性質を満たさない。本年度の研究では、多重文脈自由文法の場合には、マジックセット書き換えを適用する前にもうひとつの別の書き換えを適用することによってcorrect prefix propertyを満たしたEarley型アルゴリズムを得ることができることを示した。この手法は、従来の手法に比べて単純明瞭でわかりやすく、正しさの証明も容易である。また、その計算量は、多重文脈自由文法の特殊な場合である木接合文法に対して、知られている最良のものと同じであることを示した。この成果は、ドイツで開かれた国際会議TAG+9で発表した。考案した手法は、緊密に連携して研究を進めているSylvain Salvatiによって実装され、さらに並列多重文脈自由文法に対しても有効であることがわかった。
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Research Products
(1 results)