2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500029
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増田 澄男 Kobe University, 工学研究科, 教授 (80173748)
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Keywords | アルゴリズム / グラフ理論 / 描画 |
Research Abstract |
代表的な有向グラフ描画法として,階層的描画を求めるSugiyamaらの方法が知られている。この方法は,(i)グラフの非閉路化,(ii)頂点の階層割当て,(iii)各階層における頂点順序の決定,(iv)頂点位置の決定と辺の描画,という4段階よりなる.本研究の目的は,この方法を改良すること,および頂点がラベルをもつ場合のアルゴリズムを設計することである.平成20年度に得た結果は以下の通りである. 1.上記の段階(i)では,従来,描画中の帰還辺の本数を減らすことのみを考えていたが,昨年度,別の評価基準である「描画の階層数最小」をも同時に考慮する方法を提案した.本年度はこの方法をさらに改良し,帰還辺数,階層数の両方に関してより優れた描画を求め得ることを計算機実験によって示した. 2.上記の段階(ii)については,階層幅が指定されているときに階層数最小を目指した方法が知られていた.本研究では,この方法の後処理として,頂点の階層間移動を繰り返し行うことにより辺のスパンの総和を削減するアルゴリズムを提案した. 3.辺の描画(段階(iv))に関して,垂直・水平線分からなる折れ線で各辺を描く方法を提案した.この方法は,異なる辺が線分を共有することを許しており,従来のように各辺を直線で描く方法に比べて,辺の交差数を大幅に削減することができる. 4.平面上の点集合と目標とするラベル配置率P[%]が指定されたときに,配置率がP以上になるラベル配置で,文字サイズをできるだけ大きくするものを求める発見的手法を提案した.さらにその方法を,グラフ描画への頂点ラベル配置に適用できるように拡張した。
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Research Products
(5 results)