2008 Fiscal Year Annual Research Report
通信・信号処理技術支援による高速高効率情報伝送に基づく新概念の集積回路システム
Project/Area Number |
19500038
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
弓仲 康史 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (30272272)
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Keywords | 集積回路 / VLSIシステム / 等化回路 / 多値情報処理 / 波形整形 / プリエンファシス / 高速インタフェース |
Research Abstract |
高速信号伝送時の問題点である信号の波形劣化、および位相誤差の補正を目的とした「時間軸情報に着目した位相情報の波形強調・等化」に基づく新しい波形整形技術の考察とシミュレーション、原理実験による評価を行った。実験容易性を考慮し、プリント基板等の伝送路を対象とした低い周波数(数百MHz)を扱う設計、実験および集積化を指向したGHz オーダの回路設計の2種類の検討を行った。H20年度の主な研究成果は以下の2点にまとめられる。 (1) 位相情報に着目したイコライザの原理実験、LSI試作検討 群遅延特性が平坦な特性を有する回路構成を種々検討し、補正能力、回路規模、補正可能な周波数の上限等の諸特性に優れたパッシブタイプのイコライザが波形整形に有効であること明らかにした。さらに、伝送路をプリント基板とした場合のイコライザを実際に表面実装チップ部品等の汎用個別素子を用いて実装し、設計した回路の原理実験を行った。さらに、高速化を目的とし、イコライザの集積回路化のための予備試作(0.18umCMOS)を行った。 (2) 誘導結合を利用したチップ間無線通信とイコライザの融合技術の検討 近年提案されているコイルを用いたチップ間無線通信技術においては、誘導結合通信が微分特性を有するため、劣化した波形整形のイコライザとして動作する。本原理に基づく誘導結合を利用したチップ間無線通信とイコライザの融合技術への応用を検討し、無線通信と同時に波形整形が実行されると共に、受信回路が大幅に簡略化できることを明らかにした。
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