2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安藤 秀樹 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (40293667)
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Keywords | マイクロプロセッサ / プリフェッチ |
Research Abstract |
本研究では、低速な主記憶による性能劣化を最小限に抑えるデータのプリフェッチ方式を検討するものである。プリフェッチとは、プロセッサが必要とする以前に、主記憶からデータを事前にキャッシュに取り込んでおくものである。プリラェッチは従来より研究されてきたが、現在のプロセッサが搭載しているプリフェッチ機構は、配列アクセスのような予測可能な規則的パターンにしか対応できない。このため効果は限定的である。これに対して本研究では、従来不可能とされてきた不規則なパターンを含む種々のパターンに対応できる汎用的なプリフェッチ手法を研究するものである。 本年度の成果は2つある。1つは、本研究に入る前に行った予備評価で作成したシミュレータの精度を向上させ、有効性をより明確に評価できる環境を整えたことである。このツールを作成した結果、従来のプリフェッチ機精を備えたプロセッサに対し、本研究で提案している方式が、大きく性能を向上させることができることを確認した。また、プロセッサの種々のパラメータの変化に対し、性能向上がどのように変化するかの定量的データも得られ、その汎用性を実験的に証明した。 もう1つの成果は、電力効率を向上させる方式を決定し、予備評価を行ったことである。これにより、性能向上が得られると判断したときのみ本機構である先行実行を機動するよう制御できるようになった。
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