2008 Fiscal Year Annual Research Report
インラインネットワーク計測技術に基づく新たなトランスポートサービスの創出
Project/Area Number |
19500055
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 剛 Osaka University, サイバーメディアセンター, 准教授 (00294009)
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Keywords | ネットワーク計測 / 利用可能帯域 / インライン計測 / TCP / 公平性 / ルーティング / 情報交換 / オーバレイネットワーク |
Research Abstract |
オーバレイネットワークがトラヒックの経路選択を行うために必要となる、経路の帯域情報を知るための、各オーバレイノードで分散的に動作する帯域情報収集システムImSystemを提案した。ImSystemは上述のインラインネットワーク計測を利用することにより、帯域計測用のトラヒックを減少させることができる。そのため、帯域情報収集のためにネットワークへ与える負荷が小さいという特長を持つ。シミュレーション評価結果により、提案システムが常に最新の帯域情報を高い精度で把握することが可能であり、かつ、ネットワークへ与える影響が少ないことを示した。また、オーバレイネットワーク上のトラヒック量が少ない場合においても、提案システムがそれを有効に利用し、計測用トラヒックを大幅に減らすことができることが明らかとなった。さらに、インライン計測結果を利用する輻輳制御方式にとって、計測誤差や環境変動が深刻な影響を与えることを指摘し、それらを回避・改善する手法として、1.計測誤差の大きさに合わせて制御パラメータを動的に設定する手法、および2.データ転送レートに対して常にノイズを載せることによって、定常状態においてもデータ転送レートが振動するようにすることで、突然の環境変動にともなう影響を緩和する手法、をそれぞれ提案した。また、それらの方式を、帯域計測に基くTCP輻輳制御方式であるTCP Symbiosisに適用した場合の性能評価をコンピュータシミュレーションによって行い、提案方式がボトルネックルータのバッファ溢れを防止すると同時にリンクの利用率低下を回避できること、また、環境変動によって発生し得るTCPのタイムアウトの発生頻度を最大で40%程度削減できること、また、変動発生後のリンク利用率を大きく改善できることがわかった。
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Research Products
(6 results)