2007 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブ計測に基づく大規模広域ネットワークトモグラフィ
Project/Area Number |
19500057
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴 正人 Kyushu Institute of Technology, 情報工学部, 教授 (40231443)
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Keywords | パッシブ計測 / ネットワークトモグラフィ |
Research Abstract |
本研究の目標は、極めて大規模なネットワークにおけるスケーラブルな品質劣化箇所の推定のために、Passive計測に基づく新しいNetwork Tomography計測・推定手法を研究開発することである。初年度は、パッシブ計測によるパス特性計測の基本として、パケットサンプリングからのTCPフローレートの推定に関して、TCPのシーケンス番号を利用する手法を調査し、1000分の1サンプリングでも目的を遂行するのに最低限必要な精度を維持して推定できることを確認した。また、トモグラフィ的アプローチに基づく品質劣化区間推定手法の調査として、同じパスを通る複数のTCPフローに対してレート推定を行い、フロー群の中のレートの最大値や中間値を見ることで、共通の輻輳区間を通過するパスを類別し、輻輳箇所を推定することに関する目処を得た。これらは、どちらも実インターネットを経由した実験を通じて得られた結果である。 一方、計測の観点からの要素技術として、パケットフィルタシステムの高速化に関して、IA-64 Itanium2プロセッサ上での機械語レベルの分岐を含む高度なソフトウェアパイプライン化を行い、フィルタ・ルール数が数百になっても適用可能なコード最適化手法を開発した。その結果、実トラピックデータを用いた実験によって、native code(通常のパイプライン化なしの最適化コンパイラを利用)に対して2倍以上の高速化を達成し、高速ネットワーク上での多数フローの同時計測の目処を得た。 これらは、研究計画の中の「(1)広域P2Pトラヒックのフロー単位の計測技術」と、「(2)P2Pフロー特性を利用したNetwork Tomography手法に基づくネットワーク内部の状態推定技術」の一部に対応し、次年度に向けた準備が出来たと言える。
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