2008 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブ計測に基づく大規模広域ネットワークトモグラフィ
Project/Area Number |
19500057
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴 正人 Kyushu Institute of Technology, 大学院・情報工学研究院, 教授 (40231443)
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Keywords | パッシブ計測 / ネットワークトモグラフィ |
Research Abstract |
本研究の目標は、大規模なネットワークにおけるスケーラブルな品質劣化箇所の推定のための、Passive計測に基づく新しいNetwork Tomography計測・推定手法である。本年度は、昨年度検証したPassive計測によるTCPレート推定を使い、同じパスを通る複数のP2Pフロー群の中のTCPレートの特徴量を抽出し、それらの相関から品質劣化区間を推定する手法を検討した。実インターネット(複数のISP)を用いた実験の結果、共通の輻輳区間を通過するパスを類別し輻輳箇所を推定するためのフロー群の特徴量として、時間区間内のレートの最大値や中間値では不十分であり、時間区間内レートの分布の時間変化(隣り合う分布間のHellinger距離)を見ることで、短い時間の輻輳発生を検出できることがわかり、Passive計測に基づくNetwrk Tomography推定の基本的な目処を得た。しかしレートが低下する(輻輳区間を通過する)フロー群と向上する(前者のフロー群と競合している)フロー群の区別が必要であり、最終目標の実現には引き続き研究が必要である。それに関連して、フローレート以外の特性(ロス率やRTT)を推定し、それらを組み合わせてパスの類別を行う手法の検討も始めた。 一方、高速ネットワーク上の多数フローの同時計測のためのパケットフィルタシステムに関して、昨年度の成果を発展させ、高度なソフトウェアパイプライン化により、従来のパイプラインを用いない最適化に対して、大幅な高速化を達成した。また、異なるフロー群のTCPレート変化の相関の分析にはそれらが通過する複数パスの共有区間の最小リンク帯域幅の情報が有用であるが、アクティブ計測によるその推定のための擬似パケットペアを用いた従来手法に対して、遅延時間と到着時刻差の両方考慮することで少ないパケット数での推定を可能する手法を考案した。
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