2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境変化に対する移動端末の自律判断に基づく適応的アドホックネットワーク構成手法
Project/Area Number |
19500065
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
檜垣 博章 Tokyo Denki University, 未来科学部, 准教授 (70287431)
|
Keywords | アドホックネットワーク / 移動コンピュータ / 環境 / 自律性 / 経路制御 |
Research Abstract |
本研究では、無線マルチホップ配送を活用する無線コンピュータネットワークにおいて、ネットワークアプリケーションの目的や処理対象データの位置に基づいて、移動コンピュータが自律的に自身の位置を変化させる適応的アドホックネットワーク構成手法を考案することを目的としている。 ここでは、経路切断の発生の観点からコンピュータの動きは通信に対して一般的には障害となる。ここで、これらのネットワークを利用するアプリケーションを配送遅延拡大に対する感度に基づいて耐遅延型とリアルタイム型とに分類した。 前者の耐遅延型では、到達性の実現が重要な課題となる。そこで、本研究では、移動コンピュータの移動可能領域が限定されている場合を想定し、経路を移動コンピュータ列ではなく、物理的経路として定め、中継無線コンピュータを動的に決定することで、適切なトレードオフを実現する手法を考案した。これを、ITSネットワークへ適用するシミュレーション実験によって、接続性の拡大と配送遅延の短縮に有効であることを明らかにした。 一方、後者のリアルタイム型ネットワークアプリケーションを対象とした場合、移動コンピュータを適切に配置し、送信元移動コンピュータから送信先移動コンピュータまでのマルチホップ配送経路を構築、維持し続けることが重要となる。ここで、対象を移動センサネットワークとすると、各センサノードは、自身が観測対象をセンシングして得るセンサデータの高品質化を目的としてより観測に適切な位置へと移動する必要性がある一方、自身の観測データおよび他のセンサノードが取得した観測データを無線マルチホップ配送によってシンクノードへとリアルタイムに配送するために適切に位置を定める必要がある。この2つの相反する要求を満足するために、本研究では観測QoSと通信QoSという2つの尺度を定め、これらに基づいて各センサノードが自身の位置を修正する方法を考案した。さらに、各移動センサノードが自身の取得したQoS情報および隣接移動センサノードのQoS情報とから自律的に自身の移動位置を決定するアルゴリズムを考案した。
|
Research Products
(17 results)