2010 Fiscal Year Annual Research Report
重粒子線癌治療の原子分子レベルでの制御のためのデータベース化
Project/Area Number |
19500077
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鈴木 令子 一橋大学, 情報基盤センター, 助手 (70187780)
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Keywords | 電子移行過程 / 重粒子イオン / 生体分子 / 分子解離 / 炭化水素分子 |
Research Abstract |
量子力学的緊密波法による計算は(H+CH_4)^+、(H+C_2H_2)^+、(H+C_2H_4)^+、(H+C_2H_6)^+および(H+CO)^+について既に行っており、(C^<5+>+H_2)、(C^<4+>+H_2)系においても、これらの研究を発展させて行ってきた。 また、重粒子衝突過程での取り扱い方法にもとづいた理論の拡張形を、イオンとクラスターや凝縮系の反応過程にも適用し、イオンとの相互作用を原子分子レベルで詳細に調べた。具体的には多数のAl原子を並べた表面にNa原子・イオンが付着しいているモデルを考え、この表面系のポテンシャルを量子力学的に計算し、それを基にして、表面に入射する水素イオンとの衝突過程を詳細に研究し、重イオン衝突による標的分子からの電荷移行について散乱断面積を量子力学的緊密波法により計算し論文にまとめた。この系は電荷移行の方向角度依存性など、色々な応用分野で重要であり、今までの簡単なイオン-原子や2原子分子、またイオン-分子と比較しても多大の計算量が必要となる。このような取り扱い方法は世界でもほとんど例がなく新しい知見を材料工学の分野でも与えることが期待されている。 実験値の一部存在する過程やエネルギー領域については補間する作業を実施し、理論値との詳細な比較検討を行っている。この実験理論合同の比較検討作業から最も信頼できると思われるそれぞれの過程についての反応確率の値を決定し、総合的反応確率データを集積している。さらに、これらデータのデータベース化とそのライブラリー化を構築中である。同様の作業を医療関連分野のみでなく、出来るだけ汎用性の高いデータベースにするために材料関連や環境問題へ拡張すべきデータベースの構築を行っており、核融合研サーバにおいて公開されているデータベースに一部データは収録されている。。
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Research Products
(1 results)