Research Abstract |
インターネットに代表される大規模ネットワーク上には,多種多様な情報が提供されており,ネットワークユーザはこれをひとつの巨大なデータベースとして情報共有、情報発信の手段に用いている。本研究では,このような情報が頻繁に更新されることにより,ここからユーザが取得している情報が容易に陳腐化してしまうことを避け,常にそのユーザにとって価値の高い情報を優先して,最新情報として維持し続ける手法を求めることを目的としている。 19年度には,主としてこの問題の基本的なモデルの構築と解法の提案,および評価を行った。ネットワーク上の監視対象となる情報源の情報更新を,ユーザの保持する情報に効率的に反映させるために,ネットワーク上の回線容量,相手サーバの負荷のような現実に存在する物理的制限や,各情報源の更新頻度の違いなどを考慮して情報取得を行う手法について,いくつかの提案を行い,その有効性についても確認した。例えば,ネットワーク上に散在する複数のリソースを,輻輳を考慮した上で使用するためのスケジューリング手法に関する研究や,各ユーザから見た監視情報の重要度を効用関数として捉え,それを時間的に変化するモデルとして扱った研究をまとめている。さらに,各情報源の提供情報の更新頻度により,監視対象となる複数の情報源をグループ化して,監視優先度を動的に変更してゆくことにより,監視効率を向上させる手法も確立しつつある。これらの成果は,本研究の最終的な目的を逹成するための重要なステップであり,これまでのところ,本研究は予定通り着実に遂行されている。
|