Research Abstract |
インターネットに代表される大規模ネットワーク上には,多種多様な情報が提供されており,ネットワークユーザはこれをひとつの巨大なデータベースとして情報共有・情報発信の手段に用いている.本研究では,このような情報が頻繁に更新されることにより,ユーザが取得している情報が容易に陳腐化してしまうことを避け,常にそのユーザにとって価値の高い情報を優先して,最新情報として維持し続ける手法を求めることを目的としている. 20年度には,主として19年度に行った研究のモデルを一般的かつ現実的な条件を加えて拡張し,その場合の効率的な監視スケジューリングの提案と評価を行った.さらに,当初21年度(最終年度)に予定していたモニタリングシステムのプロトタイプの設計,および実装について,基本的な部分を前倒しで行い,シミュレーションベースでの提案方式の評価に加えて,現実のネットワーク上での情報源監視を行うことから得られる視点を交え,モニタリング手法の,より多面的な評価および改良を行った. モデルの拡張では,当初予定していたものを発展させ,ユーザが監視要求する情報が複数ある場合に,それらの中にもユーザから見た優先順位があり,どの情報に対してコストをかけて優先的に監視内容の鮮度を維持し続けるかにより,ユーザにとっての利益に違いが生じるようなモデルについて主に検討した.さらに,この利益は,ユーザと当該情報の組み合わせに対して固有の,時間の関数として扱っている. 研究計画にある内容からは多少の積み残しがあるが,これも計画の中の想定範囲内であり,21年度分を前倒しした分もあることから,研究は概ね順調に進行している.
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