Research Abstract |
本研究の主な目的は,Web-GIS上で3次元地質モデルを構築・発信・共有するためのシステムを開発することである.本年度の研究の主な成果は次の通りである. 1.基本システムの改良・再構築:システムのバージョンアップと一部を改良して再構築した.とくに,ユーザインタフェースの機能を拡張するために,Web-GISのクライアントをGMapからOpenLayersに変更した.これにより,岩層対比時の操作性が高くなった. 2.モジュール群の開発:システムに必要な機能ごとに分けた8つのモジュール(データ入力,岩相対比,データベース管理,論理処理,地質境界面推定,地質関数,標準化,および可視化の各モジュール)の基本部分が作成できた.これにより,現時点では取り扱える地質構造には制限があるものの,全モジュールが連動したプロトタイプシステムが構築できた.また,大阪平野西北部の地下ボーリングデータを用いてシステムの実証実験を行ない,3次元地質モデルが構築できることを確認した.問題点等の整理から岩相対比モジュールにおけるボーリングデータ対比の際の画面表示が不十分であること,および,地質関数・可視化モジュールを活用して,3次元地質モデルから任意の地点の地質断面図をリアルタイムに作成できる機能を開発する必要があることなどがわかった.なお,地質境界面を推定する際の3次B-スプライン曲面から,詳細な地形特性値が抽出可能であることがわかったことは意義が高い. 3.数学モデルの構築:多くの地質構造に対応する論理モデルを構築する準備ができた.論理モデルを2分木で表すことにより,地質構造を視覚的にわかりやすく記述することが可能となったことは重要な成果である.
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