| Research Abstract |
本研究課題は,医用3次元画像(CTやMRIなど),多点カメラやモーションキャプチャなどの多モダリティセンサによる計測とその画像・信号解析,およびこれら解析結果とモデル化された人体内部構造との対照に基づく動作・人体機能の高度な理解を目的としている.具体的には,多視点映像の統合に基づく多次元映像解析の基盤技術開発,モデルベースの解分による運動中の人体内部状態の認識手法の基盤開発をおこなう.
本年度は,MRIで撮影された人体内部の構造と運動能力との関係を統計的に調査するために,骨領域および筋肉腱領域の自動抽出に関する研究を進めた.この内容は体育学の研究者との共同という学際的な研究である.ノイズや磁場の不均一により画質が画像ごとに異なる上腕MRI断面画像から,筋骨量の定量的な解析,および,筋肉毎の領域抽出に関する検討をおこなった.その結果,特定断面においては,磁場補正などによりセグメンテーション精度が向上することが確認された.また,人体内臓器のモデリングという観点から,臓器セグメンテーションの高度化に取り組んだ.追跡に基づく肝臓血管の抽出精度の向上,結果を用いた肝臓区域分割の実現,および,脾臓領域の自動抽出などをおこない,学会等で発表した.
また,運動中のアスリートを記録し,その映像を演技指導等に利用するために,多視点映像の自動撮影システムの開発を進めた.このシステムは複数のPTZカメラを用い,演技者の検出,追跡を実現するとともに,演技中の技の自動識別を目指すものである.演技者の検出,および,追跡は,色特徴に基づく手法により構成されている.
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