2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ソーシャルネットワークサービス用システムの基盤技術
Project/Area Number |
19500099
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小柳 滋 Ritsumeikan University, 情報理工学部, 教授 (60351326)
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Keywords | ソーシャルネットワーク / SNS / 信頼値 / 視覚化 / アクセスコントロール |
Research Abstract |
急激に普及しているSNSは、実世界の友人関係をインターネット上に構築し、信頼できるコミュニティの形成を狙ったものである。しかし、SNSに参加するユーザの大規模化に伴い、使いやすさの低下と信頼性の低下という問題が発生する。本研究はこれらを解決し、安心して必要な情報を入手できるSNSシステムが備えるべき基盤技術の研究開発を目的として研究を行った。 今年度は、昨年度に引き続き大規模SNSの使いやすさを向上させるため、ユーザに信頼値を導入し、これに基いて適切な閲覧制限のモデル化と、これに基づくシステムの構築を行った。昨年度開発した信頼値のモデルでは、自分が周囲のユーザをどの程度信頼しているかを示す主観的指標と、各ユーザが周囲のユーザからどの程度信頼されているかを示す客観的指標を用いた。前年度の実験により主観的評価と客観的評価のバランスをとることが難しいことが判明し、この問題の解決方法を研究した。その結果、主観的評価と客観的評価を重み付けすることにより、目的に応じて適切に評価値のバランスを設定できるようにモデル化を改良した。これにより、信頼できるユーザの空間を動的に作ることが可能となり、情報爆発時代において健全なコミュニケーション手段としてのSNSの発展を促進するための基盤技術として利用することができる。 また、大規模なSNS空間を見やすく表示するため、SNSの視覚化機能のアルゴリズムを開発した。本年度の研究では、人と人との距離関係を保ちながらネットワーク全体を分かりやすく視覚化するため、ばねモデルに基づくアルゴリズムを開発した。これを検索に応用し、検索結果の類似性に基づく視覚化においても本アルゴリズムが有効に利用できることを示した。
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