2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・若年者のメンタルモデル構築プロセスの精緻化及び設計への落とし込み
Project/Area Number |
19500108
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山岡 俊樹 Wakayama University, システム工学部, 教授 (10311789)
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Keywords | メンタルモデル / ワーキングメモリ / 短期記憶 / 認知 / 高齢者 |
Research Abstract |
高齢者のワーキングメモリとメンタルモデルの関係を実験によって調べた.被験者は24名,(男性:12,女性:12),平均年齢:69歳であった.結果として,ワーキングメモリ,短期記憶とメンタルモデルの関係を特定した.この関係からワーキングメモリーを上手くインタフェースに活用できると,メンタルモデルは容易に構築できることを意味している.一方,ワーキングメモリーをうまく活用できないとメンタルモデルの構築が不安定になることも意味している.各タスクの推定記憶保持時間とタスクの正答率の相関係数を調べると-0.84あり,記憶保持時間がタスクの正答率に影響を与えているのがわかった.そして,高齢者に操作の負担を与えないようにするには,サブタスク2つ程度で操作が終わるようなインタフェースにするのが望ましい.著者が提唱しているメンタルモデルの3階層モデルにおいて,記憶レベルでは短期記憶が主に働き,ネットワークレベルではワーキングメモリーが主に働いて,最後にメンタルモデルが構築できると,高齢者は操作を理解することができる.ワーキングメモリーを活用して,あるいは記憶負荷が無いように高齢者に関するインタフェース設計するかがポイントである.更に,操作時の操作に関する様々な要素の記憶保持時間を少なくすることは,高齢者の操作負担を減じる意味で重要である.
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