2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・若年者のメンタルモデル構築プロセスの精緻化及び設計への落とし込み
Project/Area Number |
19500108
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山岡 俊樹 Wakayama University, システム工学部, 教授 (10311789)
|
Keywords | メンタルモデル / 認知 / 高齢者 |
Research Abstract |
1.高齢者の場合、記憶の保持がメンタルモデルを構築するポイントであり、1つの操作に対して、そのサブタスク2つ程度で操作が終わるようなインタフェースにするのが望ましい。 2.パソコンや携帯電話の使用経験がある高齢者が、優れたメンタルモデルを構築することが可能である。 3.高齢者には、階層構造を理解しなくても良いインタフェースが望ましい。しかし、一方、高齢者に説明する場合システムの概念図を示すことが必要であることもわかった。 4.高齢者が使ったことのないシステムに対するメンタルモデルを構築するためには結晶性知能よりも流動性知能に近い能力が必要であると考えられる。 5.高齢者には,(1)複雑な構造(操作のために条件が付くような構造)のインタフェースを避ける、(2)構造(structural model)や手順(functional model)を利用した情報提示を適宜行う、(3)外部記憶としてシステムに関する情報をインタフェース上に表記しておく、(4)高齢者の既存のメンタルモデルに沿った設計を行う、(5)直感的な操作が可能なインタフェース設計を行う、が必要である。 6.若年者は操作手順情報が与えられた際にはFunctional modelだけで目的を達成できることが分かった。特に操作手順情報が与えられた際に誤ったStructural modelを構築することが、様々な戸惑いや誤りを生じる原因となっている可能性があることが分かった。 7.cognitive interviewを行うことにより、メンタルモデルの構築度合いを計測できる方法を考案した。 8.メンタルモデルの構成要素として、(1)プランニング、(2)状況の理解、(3)表示の理解、(4)概念の形成、(5)メタファ、(6)フィードバックの検討、(7)システムの振る舞いの予測、(8)システムの要素間の相互作用、(9)操作記憶の想起、の9項目が抽出された。
|