2009 Fiscal Year Annual Research Report
定性推論の枠組みによる時空間データの表現および推論に関する研究
Project/Area Number |
19500134
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 和子 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (30330400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巳波 弘佳 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (40351738)
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Keywords | 時空間推論 / 人工知能 / 定性推論 / ソフトウェア学 |
Research Abstract |
定性空間推論の枠組みであるPLCAでは,点,線,閉路,範囲という簡単なオブジェクトを基礎とし,それらにいくつかの束縛条件を付加することで空間データを記号的に表現する.本研究はこれを発展させ,時間的変化を伴う空間データに対する扱いが可能な枠組みを構築するとともに,いくつかの拡張を行いより現実的な問題に対応できるようなシステムの実現をめざすものである.本年度は,前年度の検討や作成したプロトタイプをもとにシステムの拡張をはかった. 研究成果は以下の通りである. 1.拡張PLCAの設計と実装 前年度までに実装した基本的PLCAの枠組みをもとに,領域の形状を矩形に制限した新しい枠組を確立した.この枠組みでは,記述言語による表現と対応する図形の平面性の判定方法や表現上の推論機構を考案した.特に,各矩形が表示・非表示の属性をもつ部分に分割されるとき,それらの属性を満たすような最適配置を求めるアルゴリズムを提案し,実験システムとして実装した. 2.時空間推論への拡張 PLCA表現を空間データの時間的な変化も表すことができるように拡張し,時空間推論が行なえるようなシステムについて検討した.また,ネットワーク上で環境の変化を扱う諸問題とのかかわりについても検討した. 3.実用的問題への応用検討 1の矩形を対象とするシステムをマルチウィンドウへの自動配置へ応用するため,Windows APIを使ってインタフェース部分のプロトタイプを作成し,事前評価を行って必要な機能を洗い出した.
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