2008 Fiscal Year Annual Research Report
大規模エージェントシステムのためのスケーラブルな交渉プロトコルの研究
Project/Area Number |
19500138
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅原 俊治 Waseda University, 理工学術院, 教授 (70396133)
|
Keywords | マルチェージェントシステム / 交渉プロトコル / タスク割当て / 負荷分散 / 自律エージェント / 契約ネットプロトコル |
Research Abstract |
本研究では、大規模なマルチエージェントシステムに向けて、スケーラビリティを考慮した交渉プロトコル(ネゴシエーションプロトコル)を提案することを目的としている。特に、10000以上のエージェントが相互に干渉する可能性のある環境で、全体として効率的な結果をもたらす交渉プロトコルとそのための戦略を解明する。特にコントラクトネットプロトコル(CNP)に着目し、大規模で相互に影響し合うような環境でCNPを使用したときのシステム全体の効率性、入札値を約束した処理時間としたときの信頼性について調査してきた。 本研究期間では、昨年度の研究で得られた重要な2つの知見である広報範囲と落札戦略に関する実験結果を活用し、状況に応じてその戦略を動的に変更する方法を提案した。具体的には、近隣のタスクの負荷に応じて、(1)負荷が中程度の場合にのみ落札者選択に揺らぎを導入する、(2)きわめて負荷が高い場合には広報範囲を絞る、の二点を動的に変更するタスク割り当て戦略となる。また、近隣の負荷を判断する方法として、近隣からの入札値の変化と学習によりこれを推定している。本提案により、単純な場合と比べて20-30%の効率化が可能であるとの結果を実験シミュレーションにより得ることができた。本結果を、AAMASなど関連分野の難関会議に採録され発表を行った。本成果は、インターネットなど多数の計算機とソフトウェアが結びついた環境において、効率化をもたらすタスク割り当て方式を実現する基本的な知見になると考える。
|
Research Products
(11 results)