2007 Fiscal Year Annual Research Report
透明物体・金属物体の形状・光学特性の計測手法の開発
Project/Area Number |
19500149
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
眞鍋 佳嗣 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 准教授 (50273610)
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Keywords | 透明物体 / 形状 / 屈折率 / 画像計測 / パターン光投影 / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
本研究は,透明物体および金属物体の形状,光学特性を非接触で計測するシステムの研究開発を目指すものである. 平成19年度においては,スクリーンに表示されたパターンの透明物体表面への映り込みを利用して,透明物体の形状計測を試みた.計画では,物体を囲むようにスクリーンを配置する予定であったが,ターンテーブルを利用して計測対象を回転させる事で計測を行った.また,スクリーンに表示させるパターンを2次元グレイコードパターンではなくラインにして計測手法の妥当性の確認を容易にした. 計測手法としてスクリーンに提示されたパターンを用いるため,そのままではスクリーンからの光線は一意に決定することが困難である。そこで,本研究ではスクリーン位置を平行移動させることにより,スクリーンからの光線を一意に決定する事に成功した.実際に,透明物体の計測を行い,本手法により透明物体の表面形状の計測が可能である事を確かめた. また,透明物体の屈折率の推定として,物体表面での反射光と物体内部を透過して観測された光を判別し,形状計測結果と合わせてそれぞれの光路を推定する手法を考案した.実際に,計測対象としてコップのような中空な対象に対して本手法を適用し,形状の計測および屈折率の推定を行ったところ,表面形状の計測は概ね正しい結果が得られたものの,屈折率の推定においてあまり正しい結果が得られなかった.これは,物体内部の形状計測結果および表面法線の推定精度がまだ十分でないためと考えられる. まだ改善の余地はあるが,本研究の成果は文化財のデジタルアーカイブなどにおいて今後重要な技術になると考えている.
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Research Products
(4 results)