2008 Fiscal Year Annual Research Report
透明物体・金属物体の形状・光学特性の計測手法の開発
Project/Area Number |
19500149
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
眞鍋 佳嗣 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 准教授 (50273610)
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Keywords | 金属物体 / 形状 / 屈折率 / 画像計測 / パターン光投影 / デジタルアーカイブ |
Research Abstract |
本研究は,透明物体および金属物体の形状,光学特性を非接触で計測するシステムの研究開発を目指したものである.平成19年度は,透明物体の形状計測理論の実証や精度の検証を行った.平成20年度は,さらに透明物体の形状計測手法の金属物体への応用を試みた. 平成20年度においては,スクリーンに表示されたパターンの金属物体表面への映り込みを利用し,ターンテーブルを併用して計測対象を回転させる事で金属物体の形状計測を試みた.なお,スクリーンに表示させるパターンは,平成19年度の透明物体の計測方法と同じく,2次元グレイコードパターンではなくラインにして計測手法の妥当性の確認を容易にした. 金属物体の計測の場合,基本的には透過光が無くなる分,問題が簡単化される.一方,ハンダ表面や金属製品の仕上げの検査などでは,金属表面での反射特性の計測が重要になる.これは,金属物体に限らず,物体表面の滑らかさが光沢の広がりに関係するためで,鏡のように滑らかな場合,光沢が鋭く,表面が粗くなると光沢がぼやけて観測されることによる.この金属表面の粗さを示す光沢の広がりを,金属物体表面に写り込んだパターン光のぼやけ具合により計測を試みた. 計測においては,飽和した画素値をもつ画像から鏡面反射の強度と広がりの推定手法を応用し,おおまかな形状の計測が可能であった.しかし,正確な反射ラインの位置が求まらなかったためライン像のマッチングが正しく行えず,正しく表面の法線を求めることができなかったため反射特性の推定までには至らなかった.今後さらに改善を行い,文化財のデジタルアーカイブなどにおいて活用できる技術の確立を目指したい.
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