Research Abstract |
オープンMR装置における肝臓の位置合わせに焦点を絞り,平行移動や回転などを計算する大域変換と,B-スプライン関数に基づくFFD(Free Form deformation)による変形を計算する局所変換の二つからなる非剛体3次元ボリューム画像位置あわせ法を開発した.特に以下の成果が得られえた. 1.MRとCTの位置合わせの評価基準として正規化相互情報量が用いられていた,しかし,正規化相互情報はきちんとした関数形は存在しておらず,微分計算はできない.そのため,位置合わせには微分が不要なPowell法などが用いられてきたが,計算には時間がかかるという欠点があった.本研究では,Parzen-Weindow法による正規化相互情報量の近似関数を提案し,正規化相互情報量の微分計算が可能となり,計算時間を従来の半分に短縮することができ,位置合わせの精度も向上させた. 2.ファントムを用いた位置あわせの精度評価実験を行った,ファントムは肝臓をシミュレートするため寒天で作られており,中には腫瘍をシミュレートするための立方体のプラスチックが入っており,血管などの変形をシミュレートするためのコンニャクも入っている.ファントムに力を加え,変形させ,OPEN MRで撮影した.9つの実験結果に対して精度評価を行った.従来の剛体位置あわせの平均精度は5.99±3.32mmに対し,我々が開発した変形を考慮した非剛体位置あわせ法の平均精度は1.86±0,47mmであった、 3.前処理としての半自動セグメンテーション法を開発した.肝臓は胃や腎臓など近い濃度値をもつため,その切り出しは非常に困難であった.一方,位置あわせの前処理としての肝臓のセグメンテーションは高い精度を要求しないため,本研究では,比較的簡単で高速にできる半自動セグメンテーション法を開発した.まず肝臓の境界領域に手動で点を打ち込み後は点を簡単な折れ線でつなぎ,肝臓を切り出す.
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