2008 Fiscal Year Annual Research Report
視線検出を用いた匂い付き映像コンテンツの評価に関する研究
Project/Area Number |
19500179
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 Tokai University, 情報通信学部, 教授 (90328104)
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Keywords | 視線検出 / 匂い付き映像 / 臨場感 / 誘目性 / 注視点 / 評価実験 / ヒューマンインタフェース / 記憶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、匂い付き映像の臨場感や誘目性を視線動作から評価することである。また、匂い付き映像コンテンツの広告分野、教育分野などへの応用を検討することである。本年度(2年目)の進捗は以下の通りである。 (1)大量の視線データを処理するため、統計処理ソフトウエアを導入した。没入型VR環境で視線検出ができるように、ハードウエア、及び、ソフトウエアを改良した。また、空気砲式匂い発生装置の特性を改良し、よりピンポイントで匂いの固まりを利用者に提示できるようにした。 (2)映像に匂いを提示することが人の「注意」にどのような影響を与えるか、匂いの誘目性を明らかにすることを目的として、基礎的実験を行った。映像中の対象の大きさを変化させて注視点を分析し、従来知られている大きさの誘目性を確認する一方で、当該対象に関連する匂いを提示し、誘目性の変化を調べた。通常、小さな対象は誘目性が低いが、匂いを提示すると注意が高まり視線が誘導される結果を得た。 (3)匂い付き映像を電子看板(デジタルサイネージ)に応用するため、通常の看板と匂いが出る看板で誘目性の違いを検討した。実際の環境で実験することは難しいため、マルチ大画面を用いた没入型VR装置を用いて、バーチャル歩道を制作し、当該歩道の脇に2種類のバーチャル看板を設け、歩道を通過する際の視線の動きを調べた。その結果、通常の看板に比べ、匂い付き看板には強い誘目性があり、人を引き寄せる効果があることが考察された。 (4)匂いのある環境で作業すると記憶が促進されると言う報告がある。幼児教育への可能性を検討するため、匂い付きの映像による記憶課題コンテンツを制作し、幼稚園児を被験者とする実験を行った。匂いを提示したグループの成績は高いことを示した。 これらの成果は、論文発表した。
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