2007 Fiscal Year Annual Research Report
音楽がテレビ・ゲームの印象と印象と遂行成績に及ぼす効果に関する研究
Project/Area Number |
19500181
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 真司 Kanazawa Institute of Technology, 情報フロンティア学部, 准教授 (10200742)
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Keywords | テレビ・ゲーム / ゲームの遂行成績 / ゲームの印象 / 音楽の印象 / 音楽の感情 / 多変量解析 / 音楽演奏 / MIDI |
Research Abstract |
様々な音楽を用意し、これらの音楽の印象を意味微分法によって明らかにするとともに、これらの音楽を聴かせながらレーシング・ゲームおよびスロットマシン・ゲームを行った場合の遂行成績及び印象を測定した。これらの結果を主成分分析法及び重回帰分析方を持いて分析した結果、音楽をかけてゲームを遂行した場合には、音楽なしの場合に比べ成績が低下する、または音楽なしの場合と同等の成績を示すことが明らかになった。さらに音楽が「落ち着きのない」印象であればあるほど、ゲームの印象は「不快な」ものとなり、ゲームの成績を大きく低下させることも明らかになった。また、これとは別に音楽を構成するパラメータのうち、テンポ、長調/短調、演奏音域の要因が音楽の「明るさ」の印象をどのように変化させるのかについて心理実験を行い、計量的尺度化を行った。その結果、長調と短調の「明るさ」の違いは、聴覚抹消系における聴覚フィルタ4個分の音域移動に相当し、演奏速度が倍になることは聴覚フィルタ3.5個分音域を高めることに相当することが明らかになった。音楽の印象や音楽の感情は、最も単純には「明るさ」の軸と「緊張感」の軸で構成される2次元空間で説明できることが示唆されている。したがって、今後「緊張感」と音楽の様々なパラメータとの関係を計量的に明らかにすれば、本年度得られた音楽の印象とゲームの印象及び遂行成績との関係から、ゲームの遂行成績や印象を特定の方向に変化させるために、音楽を具体的にどのように変化させればよいかが明らかになると考えられる。さらに、これらの実験を進める上で用いたMIDI(Music Instrument Digital Interface)システムについて、音楽製作の技術論および音楽の楽しみ方を含めた音楽文化論と関連させた総合的な考察も行った。
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