2007 Fiscal Year Annual Research Report
構造進化型人工神経回路網による進化ロボティクスのための人工脳の構築に関する研究
Project/Area Number |
19500192
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大倉 和博 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (40252788)
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Keywords | 進化ロボティクス / 人工神経回路綱 / スモールワールド性 / 人工脳 |
Research Abstract |
生物のように環境に適応する行動を人工物にも行わせようとパラダイムは,1948年ウィナーのサイバネティクスに始まったとも言える.これを継承してきた分野は1990年代に"人工生命"と呼ばれ盛んに脚光を浴びたが,21世紀を待たずして衰退した.いまだに人工生命は何であったのかという問題に議論は止まないが,研究代表者は,当時,人工生命を支える自律化技術が未熟で,人工生命を提唱したLangton(1987)の言う"あり得る生命"が期待したホメオスタシスをシステム内に創発させるにいたらなかったためではないかと分析している.それゆえ,今,取り組むべき最重要課題はこの"自律化"技術であり,人工物に搭載される人工脳の構築に必須であると認識している. このような着想のもと,今年度は次のような結果を得た. ・進化ロボティクス用の進化型人工神経回路網では,構造が人工進化に与える影響が非常に大きく,単純なフィードドワード型では進化学習による汎化能力が低く,リカレント型の方が好ましい. ・リカレント型の人工神経回路網の隠れ層の構造は,全結合パターンや正則パターンよりも,スモールワールド性を持たせたパターンの方が良好な結果を出す. ・ロボットの入力情報の詳細度がその後の人工進化可能性に大きな影響を与えるため,リアクティブな反応ができる計算可能な範囲内でできるだけ詳細な情報を与える方が望ましい. ・高度な行動を発現を狙うには,適度な難易度の部分問題を通して段階的に学習させていく方が望ましい. ・これまで難問であると考えられてきた二重倒立振子問題は,構造進化型人工神経回路網に取っては,容易な問題の範疇に入る.
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Research Products
(17 results)