2008 Fiscal Year Annual Research Report
エントロピーを導入した統計力学的ファジィクラスタリング手法の開発及びその可視化
Project/Area Number |
19500201
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
安田 真 Gifu National College of Technology, 電気情報工学科, 准教授 (80353275)
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Keywords | ファジィクラスタリング / ファジィc平均法 / ファジィエントロピー / Tsallisエントロピー / 確定的アニーリング法 / シミュレーテッドアニーリング法 / 自己組織化マップ |
Research Abstract |
1.これまで、主としてファジィエントロピー正則化(最大化)に基づくファジィクラスタリングの研究を行ってきたが、近年統計力学の分野で着目されているTsallisエントロピーを導入したファジィクラスタリングについて検討した。ファジィクラスタリングの目的関数をTsallisエントロピーで最大化することで統計力学的な帰属度関数が導出される。この帰属度関数と確定的アニーリング法を組み合せることでファジィクラスタリングが実現される。数値実験の結果、本手法はファジィエントロピーを導入した従来手法と同様の性能を持つことが確認された。一方、Tsallisエントロピーのパラメータの設定方法は今後に残された課題である。 2.ファジィエントロピー最大化ファジィクラスタリングを用いる場合、クラスタリングの結果は帰属度関数に含まれるパラメータの値に依存する。そこで、クラスタリングは確定的アニーリング法で行い、パラメータの最適化はシミュレーテッドアニーリング法で最適化する手法を提案した。2つのアニーリング法は温度パラメータを利用するため結合が容易である。数値実験の結果、提案手法は従来手法よりも安定して収束し、かつ様々な形状のクラスターを表現可能であることを確認した。 3.確定的アニーリング法に基づくファジィクラスタリングに適した温度の冷却法について検討した。従来法の線形法と指数法(超高速アニーリング法)を数値実験により比較した結果、超高速アニーリング法により高速かつ高精度なクラスタリングを行える可能性を示した。 4.クラスタリングした結果を可視化するには多次元データを低次元に圧縮する必要がある。自己組織化マップ(SOM)は可視化方法としてよく利用されるが、動的なデータの表現には適していない。そのため、ノード交換により前後の時間の特徴を維持した特長マップの初期化法を提案し、数値実験により効果を確認した。
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