2007 Fiscal Year Annual Research Report
利用者要求に基づいた異種情報資源へのアクセス手法の最適化に関する研究
Project/Area Number |
19500202
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松村 敦 University of Tsukuba, 大学院・図書館情報メディア研究科, 助教 (40334073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇陀 則彦 筑波大学, 大学院・図書館情報メディア研究科, 准教授 (50261813)
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Keywords | 情報図書館学 / 情報システム / ユーザインタフェース / 利用者指向システム / 情報資源共有 |
Research Abstract |
本研究では,特に多様な異種情報資源を横断的に扱うシステムにおいて,利用者の視点をシステム設計に反映させることにより,利用者に最適な情報アクセス手法を提供することを目的とする.今年度は,博物館・史料館・図書館などの保持する文化情報資源の横断検索システムに対する利用者の情報探索行動の分析,および,学術情報を提供する約70大学の機関リポジトリの横断検索システムに対しての情報探索行動調査を実施した. 文化情報資源の横断検索システムに対する利用者の情報探索行動の分析では,利用者毎・検索要求毎に特徴を分析し,検索エレメントの使用方法と検索キーワードの特徴を抽出すると同時に,検索プロセスの類型化を試みた.検索プロセスには「ターゲットの確認」,「試行錯誤」,「裏付け」といった要素があり,これらが利用者毎に繰り返され,全体のプロセスを作り上げている.これらのプロセスは,利用者毎の違いよりも課題毎の違いが大きく,このような利用者調査では課題の影響が大きいことも分かった. また,機関リポジトリの横断検索システムに対する調査では,二つの検索課題を設定し,発話思考法により検索プロセスを調査した。機関リポジトリ横断検索システムでは,過去の自分と他のユーザの検索をトレースする機能があり,このような機能が検索プロセスに与える影響について予備的な分析を行った.課題は(1)過去に自分が検索したテーマに関連するテーマと(2)過去に他のユーザが検索したテーマを設定した.その結果,(1)に比較して(2)の課題で,システムのトレース機能が有効に働くことが分かった.ビデオを分析したところ,他のユーザの検索プロセスを有効に利用して適切な情報へたどり着くことがみられ,検索プロセス共有の有用性が示された.
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