2008 Fiscal Year Annual Research Report
ネットニュースにおける話題分析アルゴリズムの開発と自然災害風評被害への適用
Project/Area Number |
19500207
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大内 東 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50002308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 秀憲 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (60322830)
長尾 光悦 北海道情報大学, 経営情報学部・医療情報学科, 准教授 (30343015)
|
Keywords | ネットニュース / 話題変遷 / 情報バイアス / 自然災害 / 風評被害 |
Research Abstract |
ある事象が発生した際, その事象に対するWeb上の情報は様々なバイアスがかかっており, Webの情報が必ずしも現実の正しい姿を反映しているとは限らない. 時には誇張された情報や事実無根の流言飛語が流れ, 関係者に多大な不利益を生じさせる深刻な社会問題を発生させる. このような現象の典型的事例として, 自然災害による近隣観光地における風評被害の発生が挙げられる. 本研究では, 自然災害を生起事実として, ネットニュースの話題変遷を分析し, 現実の災害状況と, ネットニュースで提供される情報との乖離を時間的推移で比較することによって, 情報にバイアスがかかる過程を解明することを目的とする. 本年度は, 第一に, 生起事象として, 平成19年3月に発生した能登半島地震, 平成19年7月に発生した新潟県中越沖地震, 平成20年6月に発生した岩手・宮城内陸地震の三地震を取り上げ, これらの地震災害における報道内容の分析を行った. ここでは, 三地震における災害及び被害特性を比較分析し, それら特性と報道内容の関係性を分析した. 続いて, ニュースが中心的に扱っている話題の変遷を分析するためのアルゴリズムの実装を行った. 実装アルゴリズムは, 語の共起情報および出現頻度情報を抽出し, これらに対して統計情報処理を適用することによって, 中心的な話題内容を推定し, この話題の時系列的変化を提示することが可能なものである. この実装したアルゴリズムを新潟県中越沖地震が発生した際の二ヶ月間のネットニュースでの報道に適用した. 算出された話題変遷情報から災害に関する報道がどのように変化していったのかを分析し, この分析結果に基づき情報のバイアス過程についての考察を行った. また, これらの結果に基づき実装アルゴリズムの妥当性の検証を行った.
|
Research Products
(9 results)