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2008 Fiscal Year Annual Research Report

習慣行為の構造:その柔軟性と時間系列

Research Project

Project/Area Number 19500221
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

佐々木 正人  The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 教授 (10134248)

Keywords特定性 / 習慣 / スキル / 姿勢 / 環境のレイアウト / アフォーダンス / 行為の柔軟性 / ダイナミクス
Research Abstract

人は生活の中で様々なモノに出会いそれを扱う。長くモノと関わるなかで人の身体は、モノの性質を深く知る動きとなる。ここではこのように成立した身体の動きを「習慣」とよぶ。習慣は特徴あるモノの改変の仕方であり、短期あるいは長期の動きの反復であるが、そこにはいつも同じことが繰り返される恒常的、持続的な側面と、状況に対応して毎回適応的なモノの使用と動きが産み出される柔軟性の側面が存在する。本研究はこの習慣の特徴を「時間構造」の解明によって明らかにすることを貝的とする。
習慣は日、週、月、年単位、さらには一生にわたる動的変化である。この動的現象を理解するためには、短期から長期までのさまざまな時間スケールの相互作用の仕組み、すなわち多重時間ダイナミクス構造を理解することが必要である。本研究では習慣的行為をVICONモーションキャプチャーシステムによって3次元運動計測し、新しい非線形時系列解析手法を用いて、習慣的な行為がもつ時間構造を明らかにしようと試みる。今年度はけんだま行為の一種ふりけんについて分析したところ、熟練者群では、初心者群よりも頭部の位置変化が大きく、特に上下方向への位置変化が顕著であった。一方、熟練者群では、頭部と玉との距離変化の仕方が、試行間で一定のパターンになるような頭部の動かし方をしていた。特に試行の最後での、熟練者群における頭部と玉との距離のとり方の安定性は、初心者群には見られない特徴であった。
以上のことから、熟練者群では、玉と動的に安定するように頭部を動かしており、初心者群では、玉に対して頭部を静的に安定させた「見る運動」を行っていたと言えるだろう。このような熟練者群の制御方略は、ふりけん試行の成否にきわめて重要な、玉の穴の検知に適した知覚する行為になっており、巧みさの成立を支えるものであったと考えられる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2008

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 運動に埋め込まれた構造2008

    • Author(s)
      伊藤万利子・三嶋博之・佐々木正人
    • Organizer
      日本認知科学会第25回大会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      20080900
  • [Book] アフォーダンスの視点から乳幼児の育ちを考察2008

    • Author(s)
      佐々木正人編著
    • Total Pages
      128
    • Publisher
      小学館

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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