2007 Fiscal Year Annual Research Report
多カテゴリ離散分布におけるカテゴリ間相関構造の統計的推測への影響評価
Project/Area Number |
19500239
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
越智 義道 Oita University, 工学部, 教授 (60185618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 経史 大分大学, 工学部, 助教 (00244153)
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Keywords | 離散データ / カテゴリ間相関 / 多項分布 / 混合化 / 統計的推測 |
Research Abstract |
3つ以上のカテゴリを持つカテゴリを反応として得るような離散データの分析について検討するために,多項分布を基礎とする離散多変量分布に関わる構造上の特性について調査した。まず,多項分布の条件付二項分布分解に基づいて,各二項分布のコンパウンド分布の導出から導かれる相関構造について,ベーダ分布,正規分布等のいくつかの混合化分布の場合の表現を求め,その範囲について検討を加えた。さらに,多項分布の混合化による表現については,有限混合化の場合について一様分布や二項分布を用いた場合の混合化表現について検討を加えるとともに,直接的なコンパウンド分布の導出として,ディリクレ分布の場合を確認するとともに,プロビット変換に基づいた多変量混合化について検討した。後者では,その基本構造の計算上の導出手順を整理するとともに,カテゴリ間相関の範囲を求めるための準備にとりかかった。有限混合化の観点においては,EMアルゴリズムの適用が示唆されることとなったため,EMアルゴリズムの基本理論とその有限混合化への適用例についても検討を加え,結果の一部は2008年3月に刊行した著書「計算統計学の方法」でも紹介した。 また,本年度は上記の理論的な検討と平行して,この理論展開に伴う計算や次年度での計算機実験の基盤となる計算環境について整備した。特に,次年度は特性評価の際に並列計算の利用を計画しているために,計算機のハード的な基本性能の強化を図るとともに,計算機環境の新規OSへの移行を完了した。また,データ解析アプリケーション開発の観点からは,当該モデルのもとでのデータの分析は離散データ解析の中でも,一般線形モデルの枠組みを越えてモデル適合の実施が求められることとなるため,分析ツール構築を計画している計算環境Rでの適用可能性について検討し,その成果と適用上の問題点について大分統計談話会第36回大会で発表した。
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