2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500247
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
南 美穂子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70277268)
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交換 / アメリカ:オーストラリア:ノルウェー / 回帰分類樹 / Kullback-Leibler情報量 / 海洋資源評価 / スプライン関数 / 関数データ解析 |
Research Abstract |
昨年度は、生物の体長分布の環境要因・空間的要因による回帰判別手法を提案したが、今年度は体長分布に他の生物資源評価情報をも加味し、環境要因・時空間的要因による生物母集団の回帰判別手法を新たに提案した。 生物の体長などの身体的特性は、生息する場所、季節などの環境要因によって分布が異なる。その分布を決める要因を解析し、分布を分類することは、生物母集団単位の特定につながる重要な解析でもある。しかし、生物母集団の情報としては体長分布のみならず生態数(資源量)の時間的推移なども有用である。特に、生物資源評価および保全管理の観点からは、ある時点での体長分布が類似していても生態数の時間的推移が異なる集団を同一母集団として取り扱うことは望ましくない。 従来の回帰判別手法は目的変数が単変量確率変数、あるいは近年拡張されたものでも、多変量確率変数を目的変数とするものであるが、本研究では、昨年度、ある地点や条件の下で分布を推定できるほど複数の観測が得られるときにその分布を目的変数とする要因解析・分類手法を提案した。今年度は、その拡張で、目的変数として、分布と、生態数の時間的推移の両方の情報を含めたものを考え、その回帰分類手法を提案した。具体的には、分布にはKullback-leibler情報量に基づく不純度を定義し、生態数の時間的推移にはスプライン基底関数による表現を用いた関数データ解析的手法による不純度を定義して、2つの不純度の加重平均を減少させるような分割を繰り返すことによって体長分布と生態数の推移が均一な母集団の推測をする方法を提案した。この方法を用いて、東部太平洋におけるマグロ巻網漁によるメバチマグロデータを解析した結果は論文としてまとめ、学術雑誌に投稿した。 本研究は、全米熱帯マグロ類委員会のCleridy Lennert-Cody博士と連携して行った.
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Research Products
(3 results)