Research Abstract |
金属イオン結合タンパク質はすべてのタンパク質のうちの3分の1から半数程度を占めるとされており、近年その重要性が広く認識され、メタロームあるいはメタボロームという新しい研究分野をも出現しつつある。こうした状況で金属イオンタンパク質に関するバイオインフォマティクスリソースの必要性が指摘されているなか(1)、本研究費によって一昨年度より申請者が構築を進めてきたタンパク質の金属イオン結合部位のデータベースとしてMetalMine(http://metalmine.naist.jp/)を構築しWeb上で公開することができた(2)。 MetalMineはPDBデータベースに含まれるタンパク質の金属イオン結合サイトに関する情報を網羅的に含んでいる。また、結晶化のために加えられた塩などによる人工的な金属イオンの配位を、文献データを参照することで可能な限り排除し、生体内で実際に機能に関与していると考えられる結合サイトのみを収集した。検索機能としてPDB-ID,タンパク質名などによるキーワード検索の他、BLASTによる配列探索機能があり、アミノ酸配列からの相同性による簡便な金属結合残基予測として用いることもできる。現時点で主要な8種の遷移金属イオン(Co, Cu, Fe, Mn, Mo, Ni, V, W)に関する配位部位412種(7917サイト)を含んでおり、公開されている金属イオン結合サイトのデータベースとしては、世界的にみても最大規模のものとなっている。 (1)Andreini, C., Bertini, I., Cavallaro, G., Najmanovich, RJ., Thornton, JM., J. Mol. Biol., 388, pp.356-380(2009) (2)Nakamura, K., Hirai, A., Md.Altaf-Ul-Amin, Takahashi, H., Plant Biotech., 26, pp.517-521(2009)
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